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【本の感想】奥田英朗『噂の女』

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『噂の女』について


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『噂の女』
平成二十七年六月一日 発行
著者 奥田英朗
発行所 株式会社 新潮社



あらすじと感想




あらすじ(引用)


「侮ったら、それが恐ろしい女で」。高校までは、ごく地味。短大時代に潜在能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、事務員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい―。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント! (Amazonより引用)




感想


スカイツリーが完成した2012年頃に書かれた作品。「〇〇の女」というタイトルで九つの章が区切られていて、それぞれの章に別の主人公がいます。そしてどの章にも「糸井美幸」という女性が登場します。クレームをつけにいった車屋の受付、新しくできた雀荘の店員、料理教室の生徒など、この話の本当の主人公は彼女です。

東日本ではないどこかの訛りの田舎町が舞台。地方は麻雀ゴルフ酒セックスしか楽しみがなくて金持ちは賄賂が横行してて、権力とズブズブのしがらみばかりがある代わりにアホでも生きていけるみたいに書かれてました。建設業と墓の話がとくにひどいです。

中年男性向けの、エンターテイメントとしてはこれでいいのかもしれませんが、若干時代遅れではないでしょうか。全然笑えません。それとも僕が読んでないだけで今でもこういう男性が上から目線で値踏みするような話が量産されているのでしょうか。

とかなんとか言いながら、それでも読んでしまうのはやはり奥田作品の文章の巧さです。下衆すぎるとも言える登場人物たちはその分人間臭さがあり、ちょっと話を聞いてみようかという気になってしまいます。

噂の女糸井美幸ですが、初めて中古車屋で登場してから読んでいるうちに印象がみるみる変わっていくのが見事でした。この印象の変化を短大時代の糸井美幸で見せてほしかったと思います。短大から変わったという割にその理由とかは描かれていませんでしたので。

ただ、途中は神格化といっていいほど謎に包まれていた糸井美幸も読み終わってみると、普通とは言わないまでも登場人物の一人に収まってしまっていたのが残念でした。

また物語の展開も『邪魔』や『最悪』のような収束性を期待していただけあって狐に化かされたような最後はやや不満が残ります。

胸糞の悪い人たちが最初から最後までバタバタして終わったという印象でした。


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