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ジャガイモに救われた人々の壮絶な物語を現地取材を元に熱く描く『ジャガイモの世界史』の感想

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こんにちは!最近ジャガイモが値上がりして妻が買ってきてくれないのが不満なテデスコです。今回はそんなジャガイモにまつわるを紹介しようと思います。その名も『ジャガイモの世界史』!この大胆なタイトルに負けず劣らずの熱い内容でした。

このについて


ジャガイモの世界史
2008年1月25日 発行
著者 伊藤章治
発行者 早川準一
発行所 中央公論新社
入手先岩手県立図書館




内容と感想




このを読んだきっかけ


このを読んだきっかけは齋藤孝さんの全方位読書案内で紹介されていたからです。すごいよジャガイモ!と思わず言ってしまうというコメントに惹かれました。自分が食べるのが好きなジャガイモを通して世界史を学ぶことで今までピンとこなかった世界史を多角的に見れるようになるのではないかという期待もありました。いわゆる歴史観を育てたかったのですね。

齋藤孝『「何から読めばいいか」が分かる 全方位読書案内』の感想 - 趣味の整頓


ジャガイモはすごい


このの魅力を語るにはジャガイモの性質について少し説明する必要があります。ジャガイモは米、麦、とうもろこしと並び世界四大作物と呼ばれ他の穀物に比べアンデス原産とあって寒さや痩せた土地に強いです。また栄養価でいえば熱量こそ米に及ばないもののビタミン、ミネラルが豊富です。そういったことから劣悪な環境での貴重な栄養源とななることが多く「貧者のパン」とも呼ばれています。


このはジャガイモ料理を紹介する本ではありませんのであまり味については書かれていません。書かれているのは現地取材に基づく体験者の声と文献による歴史です。それが伊藤さんの熱い文章で書かれているのでつい読んでいるこちらも力が入ってきてしまいます。

お固い内容ではないのですがとても真面目なので読んでいて肩が凝ってくる時もありますが、そんな時にタイミングよく軽く読めるコラムが挟まれているのがよかったです。もちろんジャガイモについてのことなのですが著名人や名作文学の中のジャガイモを紹介していて「そんなところにも!」と驚くものもありました。


飢饉は人が作り出すもの


この本で書かれるジャガイモと深い関わりを持つ歴史上の人々は皆共通して辛い経験をしています。鉱毒事件により住む場所を失い新たな安住の地を求め旅立った北海道の開拓民たち、スペインにより剥奪を受けついには国まで滅んでしまったインカ帝国、英国による激しい支配ゆえにジャガイモの他食べるものがない上にジャガイモが採れず飢えと戦ったアイルランドの住民たち。辛い思い出とジャガイモがリンクすれば嫌いになってもおかしくないと思いますがそんなことはなく、むしろジャガイモに救われたという人が少なくありません。

その理由はおそらくは飢饉による苦しさが自然の脅威ではなく人為的に与えられたものだからでしょう。経済学者アマルティア・センの言葉はこの本の本質を表しています。

「飢饉は食料の不足で起こるものではない。貧しい人に食料を変えるだけの所得を創出すれば、飢饉は防止できるのだ」P13



確かに様々な場面でジャガイモは人類を救ってきました。しかしそれは人類が自ら作り出した危機も少なくなかった思います。これから先我々が考えなくてはいけないことはジャガイモによって救われるような境遇の人達を作り出さないように弱者を守り助け合う社会を作ることなのです。

北海道、ペルー、欧州、ロシア、日本というような順番で書かれていたと思うのですが、話題が国内になった途端に急に関心が薄くなったのが分かりました。他の本でもそうなのですが日本近代史が全然楽しめないんですよね。自分でも理由が分からないのでこれからいろいろな本を読み進めていくうちに突き止めたいと思います。


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